坂田和尚の紙説法 -弘法大師の教え-
ISBN:9784863870284、本体価格:1,200円
日本図書コード分類:C0015(一般/単行本/哲学心理学宗教/仏教)
156頁、寸法:148×211×10.5mm、重量271g
発刊:2014/09

坂田和尚の紙説法 -弘法大師の教え-

【大師のみ教えをやさしく広く】
総本山金剛峯寺座主、高野山真言宗管長  松長 有慶
 虚無感の漂う社会、混迷する世相、21世紀に生きる人々の閉塞した心の闇を、きれいさっぱりと払拭するにふさわしい思想、それが弘法大師・空海上人のみ教えであると、わたしは常々考え、主張してきた。
 だが一般の方々が弘法大師の思想を尋ねるには、ハードルがかなり高い。平安時代初期に活躍された大師の格調高い漢詩文と、高遠な仏教の思想を理解することが容易ではないからである。
 このように一般に分かりにくいと思われていた弘法大師のみ教えを、できる限りやさしく、「四国新聞」紙上で六年半にわたって解き明かして下さったのが、威徳院の御住職、坂田知應師である。
 このたび読者の絶大なる声援と要望に応えて、連載された文章を一書にまとめ、表題を『坂田和尚の紙説法弘法大師の教え」と改め上梓された。
 本書の特色は大師の生育された讃岐の風土の香りが微妙に漂っていること、また四国学院大学に於いて教鞭をとり、弘法大師の思想と生涯を解き明かしてこられた著者の経歴を反映して、内容についての学術的な信頼性が高いこと、さらに何よりも著者が長年にわたって三豊市高瀬町の威徳院の住職として、檀信徒の方々の教化に真剣に取り組んでこられた情熱と実績、そして固い大師信仰の息吹が、その文章のあちこちに意図せずに滲み出ていることなどである。
 寺院の住職として、また大学教授として、さらに総本山善通寺の執行としての要職をいくつも抱えながら、大師のみ教えを平易にまた的確に、新聞紙上に連載され、広く読者をひきつけてこられた坂田知應師の御努力と熱意に改めて敬意を表するとともに、このたびの御出版を心より祝し、賀詞を献じたいと思う。

【あとがき】
 本書『坂田和尚の紙説法―弘法大師の教え―』は、平成18年4月から平成24年9月までの間、毎月一回、「四国新聞」に「紙説法―ビヨン ザ リバー」として連載したものを、訂正加筆し一書にまとめたものです。
 本書の巻頭には、大学で指導教官としてご指導を賜って以来、40数年に亘り直接的、間接的にご教導をいただいている松長有慶先生より身に余る序文を賜りましたことは誠に光栄であり、衷心より感謝申し上げます。
 21世紀は心の時代と言われながら、混迷の社会が続いている昨今ですが、弘法大師の教えはこうした時代の人々の心に不可欠なものであると確信しています。
 そこで、だれでもが弘法大師の教えを理解できるようにと私なりに努めて易しく書いたものです。
 本書が読者の日々の心の安らぎとなり、多くの人々がなお一層の幸福な人生をおくることができる糧となれば幸いであり、真の心の時代が来ることを願って止みません。
 この一冊が完成するまでには、多くの人々のお陰を受けました。ここにお世話になった方々に改めてお礼申し上げます。
  平成25年6月15日  坂田 知應
                 和南

【目次】
大師のみ教えをやさしく広く 総本山金剛峯寺座主、高野山真言宗管長 松長 有慶
近頃はやる変なもの
ギャテイ ギャテイ
紅白か白黒か
貧しい金持ち
地獄・極楽
盂(う)蘭(ら)盆(ぼん)
勿(もっ)体(たい)無(な)い
寛容の心忘れずに
巳(み)正(しょう)月(がつ)
共生
北枕は身体に良い
お水取り
薔薇(ばら)はダメよ
神仏混(こん)淆(こう)
父母の恩
吾(われ)唯(ただ)知(たるを)足(しる)
胡(きゅ)瓜(うり)加(か)持(じ)
万(まん)灯(どう)会(え)
生(しょう)身(じん)の大日如来
五輪塔
黄(よ)泉(み)の国
癒(い)やしの光
御(み)修(し)法(ほ)
悉(しつ)有(う)仏(ぶっ)性(しょう)

約(つつまや)かにして深し
摩(ま)訶(か)毘(び)盧(る)遮(しゃ)那(な)仏(ぶつ)
自給自足
僧侶の品格
授かった生命(いのち)を未来へ
仏舎利
月(がち)輪(りん)観(かん)
自然の恵み
人の短を道(い)うなかれ
煩(ぼん)悩(のう)即(そく)菩(ぼ)提(だい)
アンコール遺跡
使い捨て文明
お風呂はトイレ?
家族に見守られて
写経のすすめ
年長者
雨(あま)乞(ご)い
多様性を認める社会
お礼は手紙で
不要なものなし
木造文化
心の時代
節分
縁起担ぎ
己(き)・已(い)・巳 (み)
東大寺正(しょう)御(み)影(え)供(く)
御清め塩
蛍(ほたる)の光
盆(ぼん)経(ぎょう)
家族
動植物の悲鳴
恵(けい)果(か)和(か)尚(しょう)
若水
観音さま
自然と共に
秘密の言葉
境(きょう)は心(しん)に随(したが)って変(へん)ず
エコ生活
七夕
密教美術
五(ご)穀(こく)豊(ほう)穣(じょう)
羯(かつ)磨(ま)曼(まん)荼(だ)羅(ら)
合掌のある社会
感謝できる心
追善供養
牡(ぼ)丹(た)餅(もち)とお萩(はぎ)餅(もち)
空海大師と讃岐うどん
大(だい)元(げん)帥(すい)明(みょう)王(おう)
半(はん)夏(げ)生(しょう)
空海大師
心豊かな社会を求めて
あとがき

【著者紹介】
〔著者〕
坂田 知應

【出版社から】
四国新聞に連載されていた文章がベースです。