平成相聞歌 メールで恋の歌を 10周年記念作品集
ISBN:9784863870918、本体価格:500円
日本図書コード分類:C0092(一般/単行本/文学/日本文学詩歌)
96頁、寸法:149×181×8mm、重量160g
発刊:2017/11

平成相聞歌 メールで恋の歌を 10周年記念作品集

【発刊に寄せて】
   若者が集う文化のまちうたづ実行委員会会長 香川短期大学学長  石川 浩
 わが国最古の万葉集、その約4割は相聞歌で、その中でも恋の歌が9割以上を占めています。歌という表現手段を手にした万葉の人々は、心の赴くままに自由に自らの想いを詠い上げました。これにヒントを得て、携帯電話やスマホ、パソコンのメールという表現手段を手にしている現代の人々に、恋に関する想いを自由に表現し、メールで投稿してもらおうと考えたのが、宇多津町(教育委員会)と香川短期大学が共催する「平成相聞歌~メールで恋の歌を~」コンテストです。平成19年度から全国公募を開始し、今年度めでたく10周年を迎えました。これを記念して、これまでの入賞作品を集めて刊行したのが本書です。最優秀作品については、香川短期大学生制作のイメージ画も収録しています。また、最優秀賞・優秀賞作品については、歌碑に刻み、うたづ今昔ロマン街道の通称、桜通りおよび欅通り上に配置しています。現代の恋の歌やイメージ画を鑑賞し、歌碑ロードも散策していただければ、望外の幸せです。

【ごあいさつ】
   宇多津町長  谷川 俊博
 万葉の時代、恋する男女の思いを伝える手段は主に「ふみ」でした。
 平成の現代、若者が集う文化のまちうたづ実行委員会におかれましては『恋人の聖地宇多津 平成相聞歌~メールで恋の歌を~』として老若男女が昼夜を問わず自由にその想いを伝えようと「電子メール」により、恋の歌の作品を募集をされてまいりました。そして昨年、節目となる第10回を盛会に終えられ、このたび平成相聞歌記念作品集を発行されましたことに心よりお慶び申し上げます。また、これまでに国内外から3万6747作品を応募いただいた皆様に対しまして、厚くお礼申し上げます。
 万葉時代と現代では婚姻の制度や男女の出会い方に違いはありますが、「会いたい」という恋の感情は現代も変わらず共通しているのではないでしょうか。皆様におかれましては、今後も家族や恋人をはじめ、愛する人への想いを素直に伝えていただければ幸いです。
 終わりに、開催当初から長年にわたりご尽力いただいております若者が集う文化のまちうたづ実行委員会、香川短期大学の皆様に対しまして厚くお礼を申し上げますと共に、皆様の今後一層のご活躍を祈念いたしましてごあいさつとさせていただきます。

【「十年の歩み」恋は生きる力】
   選考委員  田中 美智子
 文化庁支援事業、「平成相聞歌~メールで恋の歌を~」が、恋人の聖地に認定された宇多津町「若者が集う文化のまちうたづ実行委員会」主催で始まった。十年前のことである。
・人ごみに紛れて繋いだ君の手を離すもんかと決めた夏の日
 初年度は、どのような歌が、どのくらい集まるのかと期待と不安だった。が、応募作品は初々しく、そこには真摯に生きる若者の姿があった。
・オリオンの話をやめてキスをして
 若者のみならず、青春時代の回想や、いたわり合う家族詠には、ほのぼのとしたものが多かった。
・在りし日の父の背中を流すよに母はやさしくお墓をあらう
 挽歌は究極の相聞歌といわれるが、この挽歌には心打たれた。歌の中に亡き父が厳然と存在しているからだ。時代が変わっても、人を想う気持ちは変わらない。「恋は生きる力」。エネルギーに満ちた歌をお寄せいただきたいものである。

【「平成相聞歌」10年の歩み】
平成19年度(第1回) 香川県宇多津町が「恋人の聖地」に認定されたのを記念し、宇多津町と香川短期大学共催で「平成相聞歌~ケータイで恋の歌を~」事業開始。平成19年度文化庁「文化芸術による創造のまち」支援事業に認定される。2195作品の応募があった。
平成21年度(第3回) 文化庁の支援が終了し、宇多津町単独補助事業として開催する。
平成23年度(第5回) 応募サイトにパソコン対応画面を作成。「平成相聞歌~メールで恋の歌を~」に名称を変更。
平成25年度(第7回) 携帯電話、スマートフォン、パソコンそれぞれに対応させた応募サイトにリニューアル。
平成26年度(第8回) 従来の賞に加えて香川短期大学学生の選考による香川短期大学賞を追加する。
平成28年度(第10回) 史上最多の6530作品の応募があった。第10回を記念して授賞式とともに落合恵子氏による記念講演会「ラブレター❤2017」を開催。「恋人たちの歌碑めぐり~幸せへのパスポート~」事業を開始。

【あとがき】
 「平成相聞歌~メールで恋の歌を~」事業が10年間継続できたのは、何といっても企画にあります。企画を立案し、実施に尽力いただいた元香川短期大学教授・佐藤卓司先生に敬意を表しますとともに、心より御礼申し上げます。
 また、多くの応募作品から秀逸な作品を選んでいただきました歴代選者の先生方、本書作成にあたり、ご助言いただいた歴代企画委員長及び香川短期大学地域交流センター松永昌代氏にも感謝申し上げます。
 本書編纂の過程で、「恋」がこれほど豊潤な心と時間と言葉を生み出し、人々にエネルギーと輝きを与えることを、ある種の感動をもって確信致しました。
 本書を手にすることで、読者の皆様の心がときめいていただければ幸いです。

【目次】
第1回 入賞作品
第2回 入賞作品
第3回 入賞作品
第4回 入賞作品
第5回 入賞作品
第6回 入賞作品
第7回 入賞作品
第8回 入賞作品
第9回 入賞作品
第10回 入賞作品
平成相聞歌10年のあゆみ

【著者紹介】
〔編集者〕
若者が集う文化のまちうたづ実行委員会

【最優秀賞】
片恋の ピアス海色 春疾風

【内容紹介】
相聞歌、万葉の時代恋する男女の思いを伝えるために多く詠われた歌、をメールで投稿してもらおうという全国公募コンテストの企画が生まれたのは平成19年のこと。恋人の聖地として認定されている宇多津町(教育委員会)と香川短期大学が共催して「平成相聞歌~メールで恋の歌を~」と命名されました。本書はそのコンテスト10周年を記念し、これまでの入賞作品を集めて刊行された作品集です。最優秀作品については、香川短期大学生制作のイメージ画も添えられています。本書で「恋」の力を感じていただき、歌碑ロードを散策されてはいかがでしょう。本書にも掲載されている最優秀賞・優秀賞作品が、歌碑に刻まれ、うたづ今昔ロマン街道、通称桜通りおよび欅通りと呼ばれる歌碑ロードに配置されています。