コニボシのパロディ物語Ⅱ 間、いいか!?
ISBN:9784863871397、本体価格:800円
日本図書コード分類:C0037(一般/単行本/社会科学/教育)
142頁、寸法:148.5×210×8mm、重量218g
発刊:2020/10

コニボシのパロディ物語Ⅱ 間、いいか!?

【はじめに】
「間(ま)、いいか!?」
 今、いや、きっとこれからもずっと一番好きな言葉です。この言葉を好きになってから、嫌だったり、納得がいかなかったり、当てが外れたりした事柄が起こった時のリアクションが変わりました。
 この言葉を心で唱えると、怒りや落胆や不安などによって感情的になった心がだんだんと落ち着くのです。私にとっては、魔法の言葉です。
 昨年、私は、「パロディー物語を書こう!」という本を出版しました。本一冊あたりにかかる費用を安くしようと、出版社の人の助言を聞かず、たくさん刷りました。今、見事に売れ残っています。残りすぎて、正直、落胆しました。しかし、それでも二冊目を書こうと思ったのは、「売れなかったけど、ま、いいか!」と思えたからです。
 一冊目の本は、書きたいから書きました。二冊目の本も、一冊目の失敗にめげず、とにかく書きたいから書きました。ただ、一冊目と違うのは、書きたいと思った理由の一つに、今年七月にCDのミニアルバム コニボシとその仲間たち「コニボシワールド ~愛と調和~」を出したことがあります。私が五曲とも作詞し、同じ作曲家に曲を依頼しました。そのうちの二曲は私の歌唱で、他の三曲はそれぞれ別の人に歌ってもらいました。どの歌詞も、私が考えるパロディー物語の要件を満たしているので、本に歌詞を載せ、その裏話を書きたくなったのです。ちょうど、この本、パロディー物語Ⅱ「間(ま)、いいか!?」を書こうかな、と考えていた時だったので、タイムリーでした。
 どのように両者をコラボさせようかと考えていると、焼き鳥屋で食べた「ネギ間」がヒントになりました。五つの歌詞を物語の「間」に入れることを思いついたのです。そういう経緯があり、掲載の十三作(番外の二つを入れると十五作)のパロディー物語を代表し、本のタイトルが、「間(ま)、いいか!?」になりました。
 さて、今回の本も、パロディー物語を書くことの楽しさや書き方を作品を通して紹介するねらいがあります。
 まず、楽しさの方から説明しますと、今回は自分のことをネタに十五作中五作、書きました。間(ま)の歌詞は、五作中三作が自分のことをネタにしています。
 昔の自分を振り返ると、当時見過ごしていたいろいろな気づき、発見があります。また、昔の自分を笑えたり、叱りたくなったり、いとおしくなったり、いろいろな感情がこみあげてきます。私は、自分を主人公とした物語を書くことで、自分への理解が深まり、自分がより好きになりました。それが、今回味わった一番の楽しさです。
 体験をもとに、自分を主人公にした作品を空想、妄想したことを加えて書くことを一押しでお勧めします。
 それ以外の作品は、伝えたい主題、表現したいことがあるから書きました。書く過程で考えたことや心に浮かんだ思いが、日々の出来事と化学反応し、私の新たな体験となりました。読者の皆様のリアクションによって、さらに新たな体験が加わることを期待しています。
 次は、書き方についてです。
 今回、私がとった書き進め方は次の三段階です。
1 タイトルをリラックスした時間(私の場合、今回は室内プールや屋外でのウォーキング中、晩酌でほろ酔いになっているとき)に、兎に角たくさん考え、話にできそうなものを選ぶ。
2 いきなり書かずに、頭の中で大まかな起承転結を、やはりリラックスした時間に考え、熟成させる。その際、形にしようとするのではなく、考えること自体を楽しむ。楽しめない話は、書く対象から外す。
3 物語をメールに書き、喜んで読んでくれる人に送ることを目標にする。(伝える相手がいると、とてもやる気が出ました。)
 話の展開が浮かばなくて、書き進められなくてもあせらず、「すいすい書けなくても、いいのだ!
 本当に書きたい物語は、いつかきっと書ける。そして、日々の体験に物語を前に進めるヒントがある。」と考え、「明日があるさ!」の心境で取り組むことが大切だと、体験から確信しています。
 私の場合は、何気ない身の回りのできごとや本から書き進めるためのヒントをたくさんもらいました。わざわざ、高松市の山間部にある田舎の温泉ホテルに泊まって書いたこともあります。窓から渓流のせせらぎを見ながら作家きどりで書きました。心が洗われ、新鮮な気持ちで書くことができました。
 書き方と言っても、私がしたことをただ単に紹介しただけですが、参考になる点があれば幸いです。
 一番身近で大好きな自分自身を主人公に、パロディー物語を書きましょう。自分自身を思い切り物語の世界で躍動させましょう。
 また、自分が主張したいことを、物語を通じてユーモアを交え、おしゃれに、時にはダサく伝えましょう。
 勝海舟の言葉、「人の評価は人のもの。自分の評価は自分のもの」そのとおりだと心から思います。
「人の評価と本の価値は、関係ない!」と気にしなくなれば、文章を書くことがとても楽しくなりますよ。

【目次】
はじめに
1 すもも太郎
2 花咲かんじいさん
  間1 「零和の時代」
3 一寸先は闇(やみ)帽(ぼう)子(し)
4 カチナシ山
  間2 「レッツビギン!」
5 どっちが凄い「うなぎのぼり 対 鯉のぼり」
6 中年ジャンプ
  間3 「ソウルバディ」
7 ガリゴリ君の成長
8 ゆるぷあ物語
  間4 「骨だけの傘」
9 ペチュの縁結び
10 竜(りゅう)虎(こ)ドラガース
  間5 自分王国
11 イボ兄弟
12 脳(のう)脳(のう)と生きるな!
13 間(ま)、いいか!?
番外 1 太もも太郎
   番外 間1 「アンナ ツンデレラ」
番外 2 「目覚めよ! 百呆山」
おわりに

【著者紹介】
〔著者〕
小西 康之