日本古学アカデミー全集 第五巻
ISBN:9784863871991、本体価格:3,000円
日本図書コード分類:C0030(一般/単行本/社会科学/社会科学総記)
273頁、寸法:148.5×210×15mm、重量398g
発刊:2024/12
【緒言】
近代は『古事記』『日本書紀』など日本の神典に関する多くの文物が世に出ていますが、明治~大正時代にかけて活躍された国学者・美甘政和(みかもまさとも)先生が、「近時に至りては時弊に流され、その神国なる所以(ゆえん)を忘るゝ者多きが如し。これ吾国体に於て大害の兆(きざし)なり。如何(いかん)となれば、時流者偶々(たまたま)吾神典を一読するも、その意の解すべからざるを以て忽卒(こつそつ)一言の下に論じて曰く、吾神典に所謂(いわゆる)神国の伝は全く上古男女両人初めて吾日本の国土を発見し、その荒蕪(こうぶ)の地を開拓したる経営の事業を国生みと云ひ伝へたるに過ぎずと論じ、或は両神国生みの伝は国民を生むを云へるものなりと説き、又或は神典なるものは上古の小説にして比喩を以て作為したるものにて、彼(か)の俵藤太秀郷(たわらのとうわひでさと)の蜈蚣山(むかでやま)の昔話に類するものなりと評し、甚だしきに至りては、神典なるものは上古の英雄が奇事を説きて神に託し、野蛮の民を治むるの具に用ひたる策略の書なりと云ふに至る」と述べられているように、日本古学の解説とは大いに趣を異にしているようです。
そこで、本居宣長先生の『古事記伝』、平田篤胤先生の『古史伝』、美甘先生の『天地組織之原理』などを参照し、さらに宮地神仙道に相伝された玄学の知識を加味して、甚だ略解ではありますが日本の神伝について考究したいと思います。
【収載内容】
<日本の神伝>
『古事記』序文/宇宙の始まり/天地万物造化の始まり/原始太陽系星雲の成立/原始太陽及び原始地球の成立/地球の修理固成/神代第二期の始まり/化生神と胎生神/尸解の神術/火神の剣尸解/人類の祖先/建き神々の出顕/神々の分体と合体/黄泉国/母性愛の起源/禍神の出顕/祓戸神の出顕/日月の大神の出顕/月の分体/地軸の傾斜/天照大御神の疑念/宇気比の神術/保食神の剣尸解/衣食の道の始まり/須佐之男命の乱行/天照大御神の天石屋隠れ/人類物質世界開闢のため/神楽の起源/天照大御神の出御/須佐之男命の罪の解除/災い転じて福となす/五十猛神の功業/地球環境完成への道/ヤマタノオロチの伝承/須佐之男命の行方/神代第四期の始まり/稲羽の白兎/大国主神の受難/大国主神の黄泉国訪問/動植物の言語/須佐之男命の安心/大屋毘古神のカムハカリ/須佐之男命の神勅/主権君位の神/造化と神政/八十神の行方/少名彦那神の出現/物実の神術/二神の国造り/大国主神の幸魂奇魂/神々による万国の開闢/天忍穂耳命の天降り/「天浮橋」は空中の気道/第一の神使・天菩比神/第二の神使・天若日子/返矢の神術/風神の神徳/罪を憎んで人を憎まず/神剣の魂神/荒魂神と和魂神/大国主神の疑念/幽顕分政の神勅/事代主神及び建御名方神の帰順/神教に習ふ/初代天皇命/天壌無窮の神勅/三種の神器の霊的秘義/皇孫降臨/神代第五期の始まり/人智の限界/皇孫降臨の年代/猿田彦神と天宇受売命の功業/人寿が短縮された訳/火中の出産/海幸彦と山幸彦/山幸彦の海宮訪問/山幸彦の嘆息/海神の神術/山幸彦の帰還/海神の出産/鵜葺草葺不合命の誕生/神倭伊波礼毘古命の誕生
<神道宇宙観略説>
宇宙の大精神/天体の成立/神代から人代へ/人は万物の霊長/陰陽の発現/幽質と顕質/人は分霊神/人霊人魂について/善悪の存在/物質万能から神霊万能へ/陰教と陽教/日本の神典は世界無二の実典
【著者紹介】
〔著者〕
清風 道人